カラン

時をかける少女のカランのレビュー・感想・評価

時をかける少女(2006年製作の映画)
4.5
高校生の終わりって、もうすぐそんなに走れなくなる。オレと付き合おう、ってそんなに何回も言えなくなる。この映画のマコトは、何回も走るし、跳ぶし、頭をぶつけて、何回も告白されるのに想いを聞いてあげられない。

しかし、圧倒的に爽やかである。教室で、階段で、ゴルドベルク変奏曲のアリアを受け止めらるくらいに静謐である。いい加減な三角関係の描写はそれっぽいのだが、最終的に未来のキミへの前向きさを与えてくれて、高校の後の将来の夢を持たせてもくれる。

走って、泣いて、何回もオレとつきあって。汗もかいて鼻水だってちょっと出る。傷ついて、血だらけにもなる。しかし清涼感を失わないのは何故か?すごいことだと思う。タイムリープ、バタフライ効果、パラレルワールドというかなりアクロバチックだし、インチキくさい設定でも、「アニメーションならでは」というのでは説明がつかないほど、違和感なく、キャラクターたちのシチュエーションの一部になっている。

真面目な話し、ナツキ先輩やミライちゃんよりもずっと短いマコトのスカートが、ごろごろ転がっても決してめくれないことが、整合性を保留させるスカートとしてのスカートとして機能的に作用しているのでは、などと考えてみたが、アホだと思われそうだから、この辺でやめておこう。





レンタルBlu-rayは、ドルビーTrue HD5.1ch。画質、音質、悪くない。チアキ君の声、静止した交差点で包囲される。

着ている服とか靴とか、国内アニメは描きこみが雑になりがちだが、比較的に細野監督のは悪くない気が。。。
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