Guumo

時をかける少女のGuumoのレビュー・感想・評価

時をかける少女(2006年製作の映画)
4.0
青春をぎゅっと90分に詰め込んだ良作。
未熟であるが故のモラトリアムを描く。

確固たる意志を持たず、決定を迫られても先延ばしたくなる。自分のこともきちんと理解できておらず、決定をしていくことで逆に選択肢が少なくなって物事が進んでいくのがリスクにつながるかも知れなくて怖い。

そんな時にちょっと時間を戻せたらいいのに...。そんな事を青春時代に思ったことは幾度とある。いや誰もが一度は思ったことがあるはず。真琴はそのモラトリアムのシンボルだ。

しかし、目先だけで良かれと思って行動していったことやそのモラトリアム行動でどんどん思わぬ方向へ進んで行ってしまい...彼女は考えが変わっていく。

そんな成長をこの短い時間で描ききった本作はすごい。野球をするというのも3人の関係性を絶妙に表すために決めたそう。

野球は3人ではできることが多いが2人だと出来ることは非常に限られてくる。一つ一つの設定が細やかだ。とても考え抜かれて作られた作品であるというのがひしひしと伝わってくる。

青春映画ならではのテンポ感も非常に良い。青春は青い。
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