Gatt

TINA ティナのGattのレビュー・感想・評価

TINA ティナ(1993年製作の映画)
4.0
ティナ・ターナーという人の顔を初めて知った時の印象は、
「ライオンみたいな豹みたいなオバサン」。黒タイツで馬に乗ったPVで、やたら顔のアップが多かった(TheBestという曲のPVのようです)。唸るようなハスキー声。
「喰われそう‥」w

アンジェラ・バセット主演の93年のこの作品。ティナ・ターナーの自伝の映画化。とても女優魂を感じました!
これでアカデミー賞も初ノミネートされたのも納得。歌声はリップシンクにせよ、マジ声なんじゃないかってくらいの感情リンク。更にはあのパワフルなステージパフォーマンスを再現。
私生活シーンではDVされるわ、逃避試みるわと結構ハード。貧血で痩せたシーンもあったしね。役作り大変だったろうと思います。
あんなにムチムチグラマーじゃないけど、噛みつかれそうな野生の迫力はありましたw。子鹿が狼になってく感じですw

夫婦デュオとしてデビューするのですが、その旦那役がローレンス・フィッシュバーン。こんな意固地な役もやってたんですね。彼の髪型が七変化するのも見所w。普段は刈り上げだもんね。

この夫婦、殴っといて贈り物、掌返して甘えてくるわ、「私がいけないの」発言と典型的なDVサイクルです。

ただ、抜け出すきっかけが某宗教団体なんだっていう筋書なんだけど、
広告塔映画なニュアンスがなきにしもあらず。そもそも仏教と一括りにして良いんでしょうか?
まぁ、抜け出すきっかけは事実なんでしょうね。ティナ自身が前進できたって事なら、それは素晴らしいと思います。

ソロヒットになるまでのお話。
実際には、そんなに簡単にソロでの復活はできなかったみたいだけど、2時間弱に収める編集に評価をあげたいw
映画自体はパフォーマンスも良いので、楽しく見られました。
オープニングの聖歌隊シーンが可愛いくて引き込まれましたし、笑った。

これを観るにあたり、ティナの曲を聞きまくってましたが、なんか力湧くんですよね。この映画を観てわかったのは、彼女の逞しさ。きっとそれが伝染して、僕にも野生の血が目覚めてきたようですw


2023/5/25追記
朝からティナの訃報にびっくり。
ご冥福をお祈りします。この映画を3か月前に見られて、特別な気持ちになりました。感謝。
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