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ハーダー・ゼイ・カムの堊のレビュー・感想・評価

ハーダー・ゼイ・カム(1973年製作の映画)
3.5
ジャマイカ初の長編映画っていうのがまず驚きだしfilmarksにジャマイカ映画が10本しか登録されてないことにも驚く(しかもほぼすべてレゲエ関係)。教会に勝手に入り込んで練習しまくって成り上がっていくストーリーやロードムービーと化す後半は想像していたヘロヘロ映画よりもずっとしっかりした作り。ガンジャ売って、拳銃売って、人殺しまくって…エドワード・G・ロビンソンよりもずっとずっとワル。『イージー・ライダー』三回くらい見て作ったようなズームインアウトで進んでいく語りやLSDフラッシュバック的な数々も、ジャマイカの海の綺麗さとモノホンのストリート爺たちの顔面でMIXされて結構見たことない映画になっている。雇用のない社会とレコード業界の搾取体制と並行してはっきりと支配のための道徳だけを押し付けてくるキリスト教に対する姿勢が描かれていて、当時のレゲエの決意表明のよう。でもなによりもガンジャ新鮮すぎるし太すぎる。ジミー・クリフちんこでけー。中南米研究会解説付。
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