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リトル・ダンサーのmylifeのレビュー・感想・評価

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
5.0
700レビュー記念に何を観ようと模索していたら「リトル・ダンサー」に目が止まり再鑑賞してみた。これは、当時利用していた映画サイトでオススメしてもらった作品でもあり非常に良かった覚えがある。

その時、以来のおよそ15年以上も前のコトだとは思うが再び触れてみた。スティーブン・ダルドリー監督の長編デビュー作品としても有名。イギリス映画である。

主人公はジェイミー・ベル。ちょっと気になって調べてみたら「SKIN/スキン」の主役やったのね。成長した姿が、いきなりスキンヘッドの顔面タトゥーやから全然気付かへんかったのだ。いゃあ、人の成長は時に残酷である…なんて。

物語的には炭鉱の街に住む貧しい家庭に生まれたビリー。母親は他界していて父親は職人気質の頑固親父。とまぁ、やりたいコトがボクシングから、いきなしバレエに変わるんやから…そりゃ、まぁ反対するやろね。

しかしながら、ビリーのバレエに対する想いは果てしなく強い。夢のため父と兄の心を動かすコトは出来るのか…ってな展開。バレエのウィルキンソン先生がキーのような存在でありストライキに揺れる背景がより一層と困難だと思わされるかのよう。

とにかく、ビリーの成長が著しく、まだ子供ではあるがココロの中に秘めた苦しみが何だかダンスに表現されているようにも感じる。

そして、そのビリーを含め家族が何が本当に大切なのかを考えついたような…成長過程が一番の見所と言えるかも。号泣とまではいかないが程よく涙腺を刺激されたのが心地好いのだ。

それとは別に、本作の目の付け所の良さはバレエを題材にしているのにも関わらずUKロック等の挿入歌が多様に使われているコト。特にT・レックスの選曲が良いのよね。その曲に合わせたようなダンスシーンも実にいい感じでテンション上がる。

監督の長編デビュー作にして最高傑作と言っても、ええんやなかとも感じてしまうくらい。とは言え監督作品では「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」ぐらいしか多分、観てはいないかも知れないが…

劇中の台詞で2つほど気に入ったフレーズがある。余り触れちゃうとネタバレになっちゃいそうやけど、その内の一つが兄が弟に向けてバス越しに言った台詞。もう一つは敢えて心の中に閉まっておこうと思う今日この頃。
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