狭須があこ

リトル・ダンサーの狭須があこのレビュー・感想・評価

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
4.4
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」で涙が枯れるほど泣いたのに、この監督の映画をほかに見たことなかったので借りてきました。
子役の才能を引き出す天才なんですかね?こんなに丁寧に子供の表情と動きを描く監督、ほかに見たことない。

やりたいことをやれる子供ってスゴイよね
特に男の子っていうのは、この年代あたりだととても繊細なプライドを持っているので、なかなか好きなものに対して素直になれないと思うんですよ。好きな女の子に意地悪しちゃったりとかするじゃん。
まして世の中には「男の子がやるもの」「女の子がやるもの」っていうのが結構いろいろあったりします

そういう、「誰向けのもの」っていうのは文化ですからね。
別に「バレエは女の子がやるもの」でもそれはいいんですけど、「バレエは男の子がしてはいけないもの」って言われたとしたら、そこに納得すべき理由はないと思うわ
真剣なビリーの表情だけで感極まったし、楽しそうな彼にはこっちもめちゃめちゃ嬉しくなった。

踊って見せろよ!のとこでついに泣いてしまった。この監督の描く子供には本当に感情を操られるな
なんかいっそ、子供が主人公じゃないこの監督の映画を見たい。この人は、大人だけの映画はどうやって描くんですかねぇ。

まぁ、最高の子供の物語のなかには、それ以上にカッコいい大人がいるんですけどね
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」に出てくる大人も、この映画の大人も、子供に負けず丁寧に描かれていて、この監督の描く「家族」のテーマが私は大好きです。

これミュージカルにもなってるみたい。
舞台の上で踊るビリーなんて、まさに題材冥利に尽きるでしょ。見てみたいなぁ~
狭須があこ

狭須があこ