とある惑星の人々の悲喜劇を描いた作品。
フィックスのカメラでオフビートなユーモアを淡々と見せていく作りは、如何にも北欧のコメディーという感じでカウリスマキを彷彿とさせる。
カウリスマキ作品と比較すると、登場人物が白塗りで急に歌い出すシーンもあったりと、かなりシュールな世界観。
それに加えて、ペーソスのある笑いが特徴だろうか。
白塗りは地球以外の惑星が舞台である事を示す意味合いがあるとの事。
ただ、個人的には生気を失った現代人のカリカチュアにも見えたし、死人や幽霊達の世界を描いている様にも見えた。
何個かクスクスと笑える場面はあったし、大量のエキストラを使った面白いショットもあるのだが、一方で意味が分からないor笑いが伝わらない描写もあり。
何より、冷たく暗いトーンの色調だったり、終始ローテンションで辛気臭い語り口は、100分という上映時間以上に疲労感を感じさせる。
正直、好みの作品とはいえないものの、独特な個性と作家性は感じさせるし、それはそれで興味深いものがあった。
癖の強い作品なだけに、刺さる人には刺さる作品かもしれない。