むっしゅたいやき

血と砂のむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

血と砂(1965年製作の映画)
4.0
此方もフォローさせて頂いている方よりの紹介にて鑑賞。
監督は岡本喜八。
かなり直接的な反戦映画である為見易く、また偏り易くもある作品である。

本作の内容は戦争とミュージカルを組み合わせた物であり、それを人情ドラマと併せ二時間強の尺に収めた手腕は見事である。
戦闘描写に於ける八路軍の人海戦術の迫力には驚嘆させられもし、また演奏に就いてもラストの描写には明るい曲調である事も相俟って殊更悲痛な印象が増幅させられた。

ただ前半あれだけ尺を割いた、佐久間大尉と小杉曹長との関係性、前の守備隊の壊滅理由とその後処理関連、更にはフルートを譲られた中国人捕虜に就いては消化不良な点が残る。
なまじ仲代達矢と三船敏郎、更には団玲子の演技と台詞読みが素晴らしい物であるだけにこの点残念であり、最後の戦闘に肉付けする形でプロットを組んだ様子が浮かんでしまう。

評価に関しては、この点割り引いている。
少々プロット(革新性と安定性)のアンバランスさが気に掛かる作品である。
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