いわやん

血と砂のいわやんのレビュー・感想・評価

血と砂(1965年製作の映画)
4.7
岡本喜八監督。
監督の傑作とも言える作品です。

中国の戦地に送られた小杉曹長と軍楽隊の13人。小杉はその隊に小原見習い士官を探すが、戦犯により銃殺されたあとで。怒った小杉は隊長を殴り牢屋へ。
翌日、軍法会議のはずが小原がいたヤキバ砦の奪還を隊長に命ぜられ、軍楽隊の13人と牢屋にいた戦争嫌いな志賀、無鉄砲な犬山、葬儀屋の持田でヤキバ砦に進軍する。見事に奪還に成功するが、敵に奇襲をかけられ人的打撃を受けて意気消沈する。そんな時に、慰安婦のお春が。
残った軍楽隊の少年達は、お春によって「男」になる。元気を取り戻した少年達。しかし敵の軍は、より多勢の兵力で・・。

この作品、戦争の中でコメディと音楽を織り混ぜて、さらに非情な現実と悲惨な末路を描いています。

最近、黒澤監督の「椿三十郎」を観て、この作品は、アンチテーゼの感じかなと。もちろん全然内容が違いますが、キャストとか、若者の立ち位置、ラストに向かう展開に、生死の描き方。ちょっとそんな感じがしました。

とにかく、岡本監督らしくテンポが良く、BGMも素晴らしく。

途中で軍楽隊が、「赤とんぼ」を演奏するシーンなんて、たまらなく素晴らしかったです。

小杉曹長に三船敏郎、犬山に佐藤允、持田に伊藤雄之助、隊長に仲代達矢。それぞれ、素晴らしい役でした。

ちなみに、特撮好きな私は
軍楽隊のキャストの中に「がんばれ!レッドビッキーズ」「ジャイアントロボ」「ウルトラセブン」「ウルトラマンタロウ」と特撮番組に出てる人が、たくさんいてまして、極めつけは名古屋章に天本英世。
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