SAKUMATHENERD

アミスタッドのSAKUMATHENERDのレビュー・感想・評価

アミスタッド(1997年製作の映画)
3.8
史実であるアミステッド事件を元にした物語。
最初の奴隷の暴動や彼らがいかにアメリカにつれてこられたかが描かれる回想シーンが際立って凄まじい。その中でのゴア描写は目を覆いたくなるほどに惨虐で特に鞭打ちで奴隷を罰する場面では血飛沫が周りの奴隷にかかる演出が残酷性を一層強調させていて、見ているこちら側が辛くなる程である。このあたりは実は悪趣味・人体描写が大好きなスピルバーグの残酷描写力が遺憾無く発揮されている。

奴隷のチーフと弁護士が言語という障壁を超えて徐々に距離を縮めていくところには文字通り映像=動きで語られるため無条件に感情が揺さぶられる。元大統領がチーフの言葉を引用して法廷で皆を黙らすことができたのは元大統領がその言葉に国というものの本質を見出した故かと。

後に、スピルバーグは南北戦争に関わる『リンカーン』を撮ることからも、アメリカ独立の歴史は彼の中で重要な題材だったのだと思った。
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