滝和也

テキサスの五人の仲間の滝和也のレビュー・感想・評価

テキサスの五人の仲間(1965年製作の映画)
4.4
10年ぶりに見た
名画には新しい
発見と感動がある。

とっておきですね(^^)

「テキサスの5人の仲間」

西部劇は数あれど、この様な西部劇は他にはありません。敢えて言うなら博打映画。まさに一発勝負(^^) わたしにとって最大の褒め言葉、この映画は振り切れてます。フルスイングです。

大平原を駆ける馬車。1人また1人と男たちを集めていく。年に一回、西部の田舎町に集まる5人の金持ちたち。その年の蓄えを全てをぶち込むポーカーのために。その街に旅の家族がやってくる。旦那はどうも博打好きのようだ。妻との約束を破り、勝負に参加してしまい…。

この映画の醍醐味の一つは脚本であるが、これ以上は語れない。劇中のポーカーに西部式ルールがあるようにレビューにもルールがある(^^) 脚本家のシドニー・キャロルは博打映画の傑作ハスラーの脚本も書いており、こちらは正統派。見事すぎる。

演出もほぼ密室劇・会話劇であるにも関わらず、セリフのテンポの良さ、スピード感のある展開の巧さで飽きさせない。さらに際立った個性豊かなキャラクターがまさにせめぎあい、先の読めないストーリーを紡ぎ出す。

それも、圧倒的な演者たち、技巧派が集まりし所以だろう。私の好きな作品、砂漠の流れ者のジェイソン・ロバーツ。紳士然としているが旦那を引き込んだケヴィン・マッカーシー。端役だが?ロッキーのミッキー役で有名なバージェス・メレディス。だが…何と言っても…

この映画はヘンリー・フォンダの前半の強烈な演技に支えられている。無類のポーカー好きだが、まさに博打弱者の典型である旦那役。会話劇の巧さは12人の怒れる男で証明済みだが、凄まじい情けない役を密室で好演し、映画全体を覆う。場面にいなくともだ。この役ほど重要で演技力を問われる役はなく、彼しかできないのだ。アメリカの良心を代表する彼にしか。

また追いつめられし、ヒロイン、妻役にジョアン・ウッドワード。彼女の代表作はまさしくこれ。健気でありながらも芯の通った淑女を見事演じる。

終わったあとの爽快感。これは保証します(^^) 間違いなく見て損なし。これぞアメリカ・スティング映画のご先祖様。オススメの作品です(^^)
滝和也

滝和也