バンド・デシネ(フランス周辺地域の漫画)で有名なエンキビラル監督作品。独特の不穏な雰囲気と、映像の質感や構図がほんとにかっこいいです。
外は酸性雨が降り、人も見えないのにどこからともなく弾丸が降り注ぐ危険な街。
絶対に安全とされるバンカーパレスホテルに集まる政府高官や判事をもてなすポンコツアンドロイドの従業員達が狂気の沙汰。ロビーで演奏しているアンドロイドの病んだ演奏がほんとに最高。人数が減ってもかっこいい。
クララ役の謎めいた雰囲気が魅力的。
それぞれの人間関係に関する謎や正体不明の人物が多いし、ホテルにどうやって入ったのかの描写もほぼないので常に考え込まされる。いろいろ踏まえた上でもう一度観たいです。
ちょっと理解しにくい映画も好きな人にはおすすめです。「ティコムーン」をつぎは観るつもりです。