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続兄弟仁義のmhのレビュー・感想・評価

続兄弟仁義(1966年製作の映画)
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シリーズ二作目。
この頃の北島三郎のかっこよさったらない。小柄で気っぷがよくて男前。いまでいうと……みたく誰かに例えることができなくてなんとももどかしい。
東映らしからぬ、爽やかカップル(里見浩太朗と小川知子)がいいアクセントになってた。しかも彼らは敵側! 複雑に絡み合う人間模様がいいね!
今作も脚本が素晴らしい。
「おじき、梅原一家の助っ人に、あっしのかわいい子分が斬られたんでっせ、この落とし前はどうつけてくれるんで」
たいていの任侠ものならこれで悪者の勝ちになって終わるところ、こう続く。
「おめえはメクラか! 侠客といわれる男にしちゃ、ちょっと目がなさすぎるぜ。明日から年に一度の祭りだっていうのに、まるでこの町は死んだようだ。バカな無職(ぶしょく:渡世人)がせっかくの祭りを台無しにしようとしてやがる。おれには樽囃子が泣いてるように聞こえるぜ」
めちゃくちゃなロジックで見事に言い負かす。
口ごもったほうが負けという、やくざの口げんかの上手下手も落とすことなく描いている。親分同士の格の違いをエピソードにして見せてくれるのが効果的。
殴り込み前のくだりも良かった。
「お前さん、身よりは?」
このひと言がとんでもなく熱いしうまい。
手前に柱やふすまがあってその奥でチャンバラやってるのを移動撮影で追うのもこの頃は美しかった。(後年の任侠ものだとワンパターン化して雑になる)
あと、鶴田浩二が叙述トリックみたいになってるのはなんとかしてほしい。一作目は「友情出演」で今作は「特別出演」。単純に出過ぎてる。
ほか、棒演技子役のラスボスみたいな子役がいた。拷問に使えるレベルの棒演技は面白いけど、その面白さは求めてなかった。
傑作だった一作目には及ばないけど、こちらも名作だった。
味方側に遠藤太津朗がいる作品にハズレなし伝説も継続中。
ほんといいシリーズ!
mh

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