青二歳

永遠のハバナの青二歳のレビュー・感想・評価

永遠のハバナ(2003年製作の映画)
3.4
忘れもしない中学時代…ブエナビスタソシアルクラブを"喰らって"以降、キューバといえばジジババがカッコいいという乱暴な括りをしがち。若い時の評価って固まるかひっくり返るかどっちかですね…さて今作もシワを深く刻んだステキなお年寄りが(ノ∀\*)

ビートルズファンの方には申し訳ないけどジョン・レノン像をそこまで有り難がらなくても…とか、チェ・ゲバラをそこまで称えなくても…と思うんだけど、建国に関わる事だからとやかく言えることでもなく。でもそろそろ多様な評価が出切っていてもいい頃だとも思うんですよね。そうした背景は見えてこない、というか描かないのかな。切り取ってるのはハバナの市井の人、彼らの語りのテーマは"夢"。
職業について言えば、みんな給料が同額(!)なわけですから、転職とか思い立ったらしてもいいんじゃないかと思うけど、それぞれ事情があるのでそういう訳にもいかないらしい。一方、給料同額ということが大きいのか、職業についての自負はどんな仕事であれ見えるのがすごいところ。
社会主義国という点で理解の及ばない点がかなり多いんですが、なんでしょう日本が清貧に美徳を感じるお国柄のためか、キューバの景色や生活には愛おしさも感じます。でも少しのプラスのお金があれば解決する夢については給料同額となるとちょっと辛いところ…他ささやかな夢が多く、画面の美しさと合わせて無心で彼らの語りが耳に触れるのが心地よい。
また夢はもうないと語る声も響く。

なおキューバ国立バレエのステージがちょっと観れます。来日して欲しいですねぇ。スターダンサーだけなら世界バレエフェス等でお馴染みですけど、引っ越し公演ないかなー。
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