ブタブタ

スウィート・ムービーのブタブタのレビュー・感想・評価

スウィート・ムービー(1974年製作の映画)
4.4
パッケージに「フェリーニよりゴダールより凄い!」と書いてありましたが違うと思います(笑)
「前衛的」「実験作」と言う言葉に弱いのですが確かに本作を表す言葉としてそれしかないと。
監督の作家性がストレートに表現される、美術で言うとアーリュブリットの様なセオリーや基本や作法にとらわれない「生の芸術」
ホドロフスキーの『エル・トポ』『ホーリーマウンテン』は正に映画の基本等にとらわれない原始の暴力、血とエネルギーに満ちていて、リンチの『イレイザーヘッド』『エレファントマン』も脚本やストーリーよりリンチの精神・悪夢的世界を具現化した様な原初の恐怖・幻想に満ちた世界でしたがマカヴェイエフの『スウィートムービー』と『WRオルガスムスの神秘』は何にも考えずストレートにエロの方向に舵を振り切った妄想世界とでも言いますか。
変に哲学とか芸術とか世間が勝手に勘違いして妙に高尚なモノとして扱うきらいも見受けられますが監督自身にはそんなもの意味無くて自身の思い付くまま撮ったのがこの作品だと思います。
大富豪が嫁探しで主催した「処女コンテスト」で光るマ〇コ(昔くりいむレモンと言う18禁アニメの局部修正で透過光を使った光るライトセイバーチ〇コと言うモノがありましたが)で優勝したヒロイン・キャロルは大富豪の下を逃げ出してそれから始まるキャロルの性と変態行脚の旅と舳先に顔が付いた海賊船?の女船長の話が平行して進むのですが実際の大戦中に起きた大量虐殺のフィルムが挿入されたり、女船長が船に招き入れた少年達の前でストリップしたり、このシーン今なら(昔でもか)完全に児童性的虐待にあたると思いますが少年達は非常に楽しそうかつ嬉しそうで小学生の時隠れてエロ本を見てる様ないけない事をしてる淫靡なドキドキ感とでも言いますか。
キャロルが連れて行かれた何処かの厨房には謎のパフォーマンス?集団が居て、この集団は寺山修司の天井桟敷みたいな前衛演劇集団の雰囲気も有るのですがやる事は皆で食卓を囲み男が突然派手にシッコ吹き上げてそれを別の男が飲んだり、3人同時に皿にウンコしてそれを高々と上げて皆で第9を歌い上げたり、更にそれを男に塗り付けたり(『ソドムの市』と違い本物?)狂ったスカトロの饗宴が延々と続くかと思えば、突然起こる殺人、キャロルがCM撮影で裸でチョコレート塗れになって大股開いたりと話しに何の脈絡も繋がりも無くオチも思い付きの様な唐突な感じで終わります。
『スウィート』『オルガスムス』の2本以外マカヴェイエフ監督の他作品は未見なのですがこの2本以上の作品は恐らく無いのだろうなと思います。