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追悼のざわめきのnori007のレビュー・感想・評価

追悼のざわめき(1988年製作の映画)
1.0
ドラマ『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』の中で、映画の男である斎藤工がセレクトした映画が今作であった。主演の松岡茉優、伊藤沙莉には相当キツイ映画だったはず。ほんと工さんドS。。。。

この「追悼のざわめき」には社会的弱者だけの群像劇で、ほとんどが精神疾患を患っている。なので彼らの突拍子もない行動や反応をひたすら眺める映画で、特別ストーリーなどない。精神病にかかわらず快楽殺人をする人間や、本来もっとも多いのに表に出にくい近親相姦など、なかなかの狂いっぷりを存分に堪能出来る。
後半に入ると、虚実入り交じったような奇っ怪な映像と展開が繰り返される。おそらく統合失調症の映像化なのだろうと思うのだが、本人にとってはそれが現実なのだから仕方ない。そして「争いは同じレベルの者同士でしか発生しない」の言葉を実践するかのように弱者どうしが差別し合う。これらは社会問題というよりは見世物小屋的な表現方法なので、個人的にはとても不快であった。

そんな自分も、横浜、川崎、山谷のドヤ街をよく探検したものだ。かつては地獄のような場所であったが今はわりとまともになったんだろうか?
それとこの映画を見ていて、インドを旅した時を思い出した。大勢の路上生活者やカタワの人をこれでもかと見てきたからだ。人権のほぼないインドに比べれば日本はまだ相当マシなのである。
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