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ゲット・ショーティのohassyのレビュー・感想・評価

ゲット・ショーティ(1995年製作の映画)
4.5
この1995年製作のコメディ映画は、「パルプ・フィクション」で大復活を遂げ脂が乗りまくったジョン・トラボルタ主演、「アダムスファミリー」や「メン・イン・ブラック」を手がけたバリーソネンフェルド監督の、知る人ぞ知る傑作。
ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デビートをはじめ助演やカメオ出演も豪華で、ゴールデングローブにもノミネート(トラボルタは受賞)。
個人的に「もっと評価されていい最高の映画」のひとつでもある。

トラボルタ演じる映画好きなヤクザが借金の取り立てのために訪れたハリウッドで、人間力だけで映画界に入り込んで行く痛快さと、ヤクザから追われる物語が奇妙に絡み合って絶妙なアンサンブルを奏でる。
人死にが出たり銃を突きつけられたりとシリアスな場面も所々あるけれど、終始オフビートな演出でコメディ路線から外れることはなく、キャラクターたちが魅力を振りまく。

トラボルタは「サタデー・ナイト・フィーバー」や「グリース」、「ミッドナイトクロス」で名を上げるものの人気が影を潜め、「ベイビー・トーク」シリーズなどに仕方なく参加(本作で揶揄するセリフが最高)。
本作の後、「バトルフィールド・アース」までスター街道を爆走するのだけれど、個人的には本作がベストだと思う。

タランティーノ映画のように様々な映画の話が出てきたり、パロディが隠されていたりと、映画好きな人ならきっと楽しめる。
確かに地味な映画であることは否めないのでなかなか話題に上らないけれど、それがずっと歯痒くてそのうちレビューしたいなとずっと思っていた。
90年代らしいのんびりとしたカット割りは、今観ると少しどんくさいかもしれない。
でも、終始小気味好く展開する構成とすごく楽しそうな名優たちの演技を堪能できるとても映画らしい映画だし、映画が好きで好きでたまらないキャラクターたちの話ぶりがすごく好きになれるのでオススメ。
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