カトゥ

アベンジャーズのカトゥのレビュー・感想・評価

アベンジャーズ(1998年製作の映画)
2.7
今やアベンジャーズといってこの映画を思い出す人も少ないのではないか。かつて「駄作かつオモシロ作品」として語り継がれていた映画。
簡単に言うと、お洒落なイギリスのスパイもの。荒唐無稽の極致であるストーリーは、もう忘れた(気象兵器云々、だった気がする)。
まるでスパイと悪者と科学者と官僚しか住んでいないようなロンドンで、出てくる車はみんなイギリス車、かっちりした山高帽にダーク・スーツに傘、女性はとにかくゴージャス。建築物は無闇矢鱈に素敵な新旧のロンドン的なビル。こういう「フィクションのイギリス寄せ集め」が、この映画の見どころだと思っている。
色んな映画の「イギリス」を摘み取って煮込んだ結果、キッチュでモンドな面白みが醸成された、というべきか。組織の名前やコードネームが、その極み。
かつての名作ドラマをアメリカでリメイクするにあたって、その味わいを知る人達が(もちろん出演者も)全力で作り上げた、と何かで読んだ記憶が。だからスタイリッシュなだけの映画になったわけで、そういう意味では失敗作とはいえない、のかもしれない。


何かの機会に「スパイ映画強化週間」へ突入したが、見馴れたメジャー作品は飽きた、そんな時にはおすすめ。そうでなければ、素直に「キングスマン」を観ればいい。ちょっと毛色は違うが、あれだって「フィクションの変なイギリス」だ。
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