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トップガンのp99のレビュー・感想・評価

トップガン(1986年製作の映画)
4.3
君、戦闘機にも乗れたんだ…

我らがトム・クルーズはどんなものでも乗りこなします。この映画を観れば、彼が若い頃には「F-14 トムキャット」と「80年代ロックミュージック」と「調子」に乗っていたことが丸わかりです。

特に「調子」に乗った彼を直視することはできません。普段は集団の外にいる孤高キャラなトムがいきなり大声で叫んだり歌いだしたりする様は、青臭いやら恥ずかしいさやら、まさに青春の1ページを広げたようです。

トムの目はキラキラしていて、肉体はギラギラしている!微塵も「恥」など感じない彼の真っ正直な態度と筋肉により、次第に覆った指の隙間から彼を見ざるを得なくなり、以降、視線は画面にくぎ付けになること請け合いです。

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本作はアメリカ軍のエリート航空機訓練学校における青春群像劇です。

制作者インタビューにもあるとおり、戦闘機の操縦はまさに「スポーツ」!本作を戦争映画だと思って観ると少し面食らうかもしれません。「一番になりたい」と思って日々操縦の腕を磨き、友情や信頼を深める彼らは全くもって爽やかであります。その爽やかさはアメリカ西海岸沿いのサンディエゴの温暖な気候と真っ青な空のせいでもあるでしょう。

一方、戦闘機や空母などの描写は「ホンモノ」です。苦心してアメリカ海軍の全面協力を得たらしく、迫力のある、魅力的な航空アクションに仕上がっています。

特に、戦闘機の撮り方は素晴らしい!どう撮れば格好よく映るかが緻密に計算されているに違いありません。夕焼けをバックに、シルエットになった戦闘機にトムが乗り込む様を拝めただけでも、この映画を観たかいがあったというものです。

当時は、軍の戦闘にロマンがあった最後の時代だと思います。航空機はハイテクだけど、パイロットはどこかアナログにそれを操ります。80年代のキラキラした彼らの青春に、不意に涙が溢れてしまいました。

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本作を観た後で、この現代に『トップガン2』の企画があることを知りました。トム以外のキャストも(30年越しに!)続投するらしいです!果たして80年代のあの爽やかな空気を現代に持ってくることはできるのでしょうか?
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