April01

トップガンのApril01のレビュー・感想・評価

トップガン(1986年製作の映画)
4.3
オレンジ色の背景に飛行機の離陸を準備するシルエットが序盤も終盤も美しい。
特にオープニング映像とあの音楽は素晴らしいコンビネーションで久しぶりに観ても、やはり背筋がゾクゾクする良さがある。

全体的に曲の持つ情緒と物語がピッタリと合っていて、評論家的な評価ということではなく、あの時代のクラシックとしての価値は揺るぎない、と改めて感じる。

特にマーヴェリックがチャーリーの住む家にバイクで飛ばす場面は本当に絵になるし、対比して別れを象徴するようにFor Rentの看板が映し出されるところは画で全てを語る素晴らしいセンスを感じる。
アメリカらしいロケーションの広大な感じと、そこで織り成される繊細なヒューマンストーリーが上手く絡んでいることを示す象徴的な場面。

エンドロールでパイロット達のコードネームを含めて1人ずつ映すのもジワジワくる感動があり、完成度を高めていてグッとくる。

敵機はミグ28だから、わかりきっているけれど敢えて敵国名を出さないのと、それと合わせて政府の関与が描かれないところが、政治臭さを捨てていて、ひたすら空中戦を戦うシンプルなストーリーにしているところが一番良い点。

主人公がNO.1でないという、単純な勝ち負けにこだわっていないところも良い。
で、ライバルが意地悪そうなことをチクチク言うわりには、言ってることは間違ってないし助言してるだけのイイ奴という、すごく気持ちのいいスポーツマン精神が根っこにあることも感じる。
真のエリートはこうだよね、例えば選抜された宇宙飛行士のように。
生死を賭けて生きなければならない空や宇宙では、地上の小さな小競り合いなんか別世界という感じで、気持ちの次元が上がる後味の良さがある。
April01

April01