月うさぎ

トップガンの月うさぎのレビュー・感想・評価

トップガン(1986年製作の映画)
4.8
その昔、トム・クルーズに惚れてしまった♡映画でした。
「マーベリック」を観てから再鑑賞すると、何度も観ていたはずの映画なのに驚きました。トムのお目目のなんて大きいこと!!漫画みたい!可愛いすぎ。ナンパのシーンとか、目力強すぎて何故かこっちが照れます。ヒロインのチャーリーも同様。目で悩殺しあってます!(笑)あのころは教官は大人の女~~って思ってたのに

ま、それはさておき
女子だって戦闘機のスピード感やフォルムの美しさや空を切り裂く快感には痺れるんです。
今観ても空中戦のシーンはとてもクールです。
今、何が起こっているのか?どっちが敵か味方か?すごくわかりにくいのですが、スピード感に身を任せ、わかろうとしない方がいいのかもしれませんね。

飛行機が♡といいながらもパイロット姿のトムよりもバイクに乗ってるトムのほうが好きだったりしています。
今はトムのトレードマークのバイクシーンですが、多分ここから始まっていたはずです。


「トップ・ガン」はトム・クルーズがかっこいいけどドラマはありきたりとも言われていましたが、そうでしょうか?
単なるヒーローの挫折と栄光ではなく、人間の成長というものも描かれていますし、恋愛も夫婦愛も友愛もありです。父と子という普遍王道のテーマも併せ持っています。
相棒のグースの存在感もアイスマンの敵役っぷりもいい味だと思います。

米軍および合衆国政府のプロパガンダ作品にも見えますが、ハリウッド映画は今だってそういう要素には変わりありませんからね。ここは映画作品としての完成度に感嘆すればいいと思います。
いかにもアメリカンな映画に見えますが、トニー・スコット監督はイギリス人です。
冒頭のオレンジ色の空を背景にF14戦闘機の離陸シーンの美しさ。アートですよね。キャッチーな恋愛娯楽映画というよりは、映像をたっぷり楽しむ映画だと思うのです。

そして映像とともに心に刻まれるのは音楽でしょう。映画の名場面を思い出す時、必ず音楽が思い浮かぶという一体感。まるでミュージック・ビデオのように。
1980年代には、映画とタイアップしたPOPミュージックの傑作が多々誕生しました。
「トップ・ガン」はその中でも群を抜いていました。ケニー・ロギンス, チープ・トリック, ティーナ・マリー, ベルリン, マイアミ・サウンド・マシーン, ラヴァーボーイと、そうそうたるメンバーの共演にサントラも当然大ヒット。

こと芸術・文化面では80年代は最高の時代でした。
それが商業主義と結びつきすぎたことによる副作用もあり、その反動がグランジという反大衆的志向へ大きく傾いてしまったのは、今にしてみると残念です。
映画音楽とPopsの良い関係は今ではほとんど見かけませんね。それどころかPops自体が力を失ってしまいました…。
「ゴースト・バスターズ」にしろ「トップ・ガン」にしろ80年代の続編が望まれるのはコンテンツの良さということもあるでしょうが、文化としての活力と自由奔放さへの回帰という側面もあるのかなという気がします。

「トップ・ガン マーベリック」は最高でした。
でもそれもこの「トップ・ガン」に全てがあったからです。
それと、トム・クルーズという役者がいる。
それにつきますね。
月うさぎ

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