菩薩

オリヴィエ オリヴィエの菩薩のレビュー・感想・評価

オリヴィエ オリヴィエ(1992年製作の映画)
4.2
この作品、きっと同じ様に子を二人、それも出来れば性別の違う兄妹・姉弟を持つ親の視点で観たら、これ以上のホラーは無さそうな気がする。溺愛し過ぎた息子が突然の失踪、子は鎹とはよく言ったもので、家族は途端にバラバラになる。父は妻から目を逸らし、妻は娘から目を逸らし、娘は母に視線を向けるも届かない。それでも残された母と娘、女二人だけの生活は幸せだったかも知れないが、そんな時に彼は帰って来て「しまった」。喜ぶ母、何事も無かったかの様にしれっと帰ってくる父、弟の帰りを喜べない、彼の事を信じる事が出来ない姉、オリヴィエ、貴方は本当にオリヴィエなの?母にとっては彼が本物のオリヴィエで無くても良い、それは父にとっても同じ事、身勝手に飛び出した家族の元に帰る理由が出来たから、ただ姉は、彼が本物のオリヴィエであって欲しくない、姉は新たな家族で独りぼっちになる。「今、ここにいる彼は誰だ。」とキャッチコピーが付けられているが、帰って来たはずのオリヴィエが本物のオリヴィエであるのかと、そこにだけ焦点が当てられる作品では無い。家族と言う組織の危うさと不気味さ、そして脆さにこそ焦点が当てられた作品であり、崩壊から再生の先に待ち受ける…とまぁここまでにしておこう。父のアフリカ土産、まさかの猿。お姉ちゃんが突然超能力者になるのも普通に受け入れられてしまうくらいなにかが歪んでいる、危ういSEX、危うい近親相姦(仮)。
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