コーヒーマメ

新幹線大爆破のコーヒーマメのレビュー・感想・評価

新幹線大爆破(1975年製作の映画)
3.9
公開当時、興行的に振るわなかったものの、フランスをはじめとした欧州各国で大ヒットした異色の東映作品。

テロリスト首謀者を高倉健が、運転司令室長を宇津井健が、時速80kmを下回ると稼働する爆弾を仕掛けられた「ひかり109号」の運転士を千葉真一が、それぞれ緊迫感溢れる濃い演技で見せる。

彼らの芝居と、「一難去ってまた一難」って言葉がぴったりのジェットコースター的展開に、ぐいぐい引きつけられる。
特に、首都高速を舞台とした現金引き渡しシーンあたりから、サスペンス映画の魅力を余すことなく詰め込んでいる。

当時、アメリカで『タワーインフェルノ』などのパニック映画が流行っていることに目をつけたプロデューサーが、莫大な予算をかけて製作した本作。
題名のインパクトがあまりにも強烈すぎて国鉄の協力を得られず、苦肉の策でミニチュアが多用されたことは本当に惜しい。
どう見ても、作り物だもん....(笑)
また、新聞等の宣伝もやっぱり不可能だったみたい。
インターネットが世界共通のツールとして発達し、比較的安くCGを使うことができる現代との相違を舞台裏からも読み取れて興味深い。

アメリカでのトレンドを先取りして製作した本作が、結果的にハリウッドでリメイクされたのも面白いですね〜。

当時、日本にしかなく、まだ安全性も今ほどの信用がなかった新幹線を題材にした「社会派サスペンス」でありながら、誰でも楽しめる娯楽性の高い作品に仕上げていた。
タブー視された原発を題材にした、今年公開の『天空の蜂』をちょっと思い出したり。
40年ものの月日が経てば、扱われる題材も、作品のマーケティングも想像できないほど変わるんだな〜。