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ブラッド・ダイヤモンドのJのレビュー・感想・評価

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)
3.5
紛争ダイヤモンドとは、内戦地域で産出されるもののうち、紛争の資金源となっているダイヤモンドのこと。
そして、そのダイヤモンドを遠い国の富裕層たちが購入し、彼らは知らず知らずのうちに戦争の加担者となっているというわけだ。

本作では、そんな紛争地で見つかったブラッドダイヤモンドと言われるピンク色のダイヤを巡って、ディカプリオ演じる密売者ほか、記者、捕虜、反政府軍、政府軍…など、国境を越えた騒動へと展開していく。

日本では(その他諸国でも)ダイヤモンドは特別な存在。圧倒的な優越感、自分へのご褒美、大切な人への贈り物、老若男女問わず憧れ、愛され続けている宝石だ。

しかし、そんな輝かしい側面とは裏腹に、ダイヤモンドの原産地では輝きの「か」の字もない環境下で多くの労働者が血と汗を流して働いている。

きっと彼らの中でダイヤモンドが美しく輝いている姿を知っている者は少ないのではないだろうか。
カカオ豆を採っているアフリカの少年がチョコレートを食べたことが無いようなものか。

世の中は常に搾取する側とされる側。規模はどうであれその構図は必ずどこかで生まれる。


本作を観た後に紛争ダイヤモンドについて少し調べて見た。現在ではキンバリープロセス認証制度というものを設けて輸出される全てのダイヤモンドが紛争に関わっていないと証明している。

それによって、正しいルートで売られるようになったダイヤモンドの収益は現地の人に還元されるようになったそうだ。

しかしこの制度も完璧ではなく、紛争でなければ構わない(暴力・搾取・労働は問わない)、あくまで対象はダイヤモンド原石であって加工済みのものは問わない、違反しても罰則は無い、、などまだまだ問題は山積みのようだ。


自分が目にしている現実の裏側を知ることは、生きていく上で非常に重要なことだと感じる。
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