【宇宙のSFものではなく、人間の尊厳のをかけた戦いを描く社会派映画】
当初想像していたストーリーとはだいぶ異なっていてびっくりしました。
同じ顔の人間と出会って不思議な現象に巻きこまれるミステリーかと思っていましたが、クローンの出会いにより、自身の尊厳をかけた社会派の物語へと変貌していきます。
これはあくまでクローンを対象にしていますが、働き方、働かせ方に関して警笛を鳴らしている作品だと思います
まさに企業の使い捨て、人間をモノとして扱い、消耗すれば燃やして使い捨て、新たな人間をモノとして消耗させる
彼らには一抹の希望を抱かせ働かせ、その希望だけを頼りに働き続けるが、奉公はなし。
そんな二者関係になっている雇用関係が資本主義国家にはあるのではないでしょうか?
しかし、同じ顔をした二人が、あるミスから偶然に出会い、真実に気づき、組織と戦っていく様は見事です。
すべてが月での出来事で、やっていることもスケールもとてつもなく地味なのですがそこが逆に引き込まれてしまいます。
終わり方も、希望を感じさせるエンディングで良かったと思います。
僕らは「プログラム」じゃない・・・「人間」なんだ。
2019.4/14