茶一郎

グレムリン2/新種誕生の茶一郎のレビュー・感想・評価

グレムリン2/新種誕生(1990年製作の映画)
3.7
 映画が始まりワーナー・ブラザーズのロゴが出るやいなや始まるバックス・バニーとダフィ・ダックの掛け合い。でもこの映画、別に『ルーニー・テューンズ』では無いですからね。
 『ゴッドファーザー PART II』、『エイリアン2』、『ターミネーター2』、『ゾンビ』、数々の名作「続編」があれど、最凶の続編は間違いなく本作『グレムリン2/新種誕生』です。

 ホラーからコメディになってしまう、という流れは『悪魔のいけにえ2』が最もその落差を感じさせるパート2ですが、本作『グレムリン2』も前作が大ヒットしたという事を錦の御旗に、ジョー・ダンテが『グレムリン』をベースに悪趣味で過激な悪ノリをフィルムに焼き付けた作品として伝説になっています。

 オープニングとエンディングの『ルーニー・テューンズ』そのままを作品内に組み込むというネタは言わずもがな、前作のグレムリン切株描写を遥かにしのぐシュレッダー惨殺シーンや、グレムリンが大暴れする舞台であるトランプタワーならぬクランプタワーで放映している料理番組をキャシー塚本ばりにめちゃめちゃにしたり、『グレムリン』を批判した映画評論家を惨殺したり、ともうやりたい放題。映画館で観ていたら腰を抜かすような『仮面/ペルソナ』的「フィルム焼いてしまいました」ギャグもあります。ハルク・ホーガンの登場も今改めて見ても全く意味が無い使い方で笑ってしまいます。
 またギャグもパワーアップしたと思ったらグレムリンの描写も中々のもので、天才リック・ベイカーが加わった事により強化された素晴らしい特殊造形も見所です。

 悪ノリ、メタギャグ、悪趣味な笑いの洪水にやられてエンドロールを見ていると、またダフィ・ダックが登場し、「何で見てるの?帰る家ないの?」とこちらを煽ってくる。どこまでもこの「グレムリン2』は続編映画、最凶の一本です。
茶一郎

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