平田一

るろうに剣心の平田一のレビュー・感想・評価

るろうに剣心(2012年製作の映画)
3.9
“破格の原作×覚悟の主演×本気の監督
三者の出会いから生まれた、運命のプロジェクト。”


和月信宏さん(「武装錬金」「エンバーミング-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN-」)原作の大ヒットジャンプ漫画を「龍馬伝」の最強布陣が実写映画化した作品。幕末に<人斬り抜刀斎>と呼ばれた剣客が、新時代を生きる人を守るために戦いながら、同時に自分が犯した罪と向き合う姿を描いてく。監督は「龍馬伝」『ミュージアム』などを手掛けた大友啓史さん。

今から140年前。

動乱の幕末で暗殺者と恐れられ、<人斬り抜刀斎>と呼ばれた一人の男がいた。10年の時が経ち、切れない刀=逆刃刀でその目に映った人を助ける流浪人・緋村剣心。決して人を殺さない<不殺(ころさず)の誓い>を立てて、親身に接してくれた人のために、彼はどう戦うか―――?


恐らく日本の漫画原作実写史上最高峰と、言っても過言じゃないって人が大多数だと思います。もっともボクは断片的に原作を読んだ程度、アニメもジュディマリの印象が残っているって程度ですが、後半でしっかり「映画」になっていたのがイイですね。

というのも前半は正直「軽かった」んですよ。

導入だし説明が必要なのは分かるんですが、ちょいちょい説明過多だなって思うこともありますし、場面によっては溜めが欲しいと本気で思っていました。鵜堂刃衛の能力「心の一方」の描写もちょっと漫画的だなって思ったところはありますし、仕方ないとは思うんですが、正直「うーん」でしたね。

でも町の住人が毒で苦しみだした時に、高荷恵が覚悟を持って対処してから一変です。そこから話は贖罪のドラマがズシンとやって来て、アクションも前半とは違った緊迫感さえも。剣心 VS 外印なんか人間の動きなの?ってぐらいにとにかくスピーディー。音楽も効果的に炸裂していて最高です! だから前半我慢したかい、メチャクチャあったと言えますね✨

他の方も言ってるでしょうし、割愛はするんですが、剣心役の佐藤健さんはやっぱり素晴らしい。この前の「龍馬伝」で見せた芝居もそうなんですが、役を生きる役者なんじゃないかと興奮しましたね。特にクライマックスの二面性は素晴らしく、二つの面の剣心を具現化していて降参です(次の続編二作ではさらに爆発ですからね)!

ニヤリとしたのは鵜堂刃衛役の吉川晃司さん。ビジュアルとか芝居じゃなくて、高荷恵を拉致しに向かった警察署での殺戮パート。自分的には『ターミネーター』一作目級ですよ! かのシュワちゃんが体現した殺戮マシーンの恐ろしさを日本で体現できる役者いたんだ!ってビックリです! 僕はそんなに吉川晃司さんを存じないけれど、この人だったら慈悲なき殺人マシーンを演じられますね(何の確信?)!

おぼつかなさはありますが、武井咲さんも良しです。神谷薫を感じる瞬間、何度か見ていてありますし。


まとめると、稀に見る邦画実写の成功例で、まさかこんなに大成功するだなんてな作品です。たまにこういうことがあるから、邦画は侮れないんだなあ。

来年の新作アニメの前に実写を制覇しよ!
平田一

平田一