ナユRA

崖の上のポニョのナユRAのレビュー・感想・評価

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)
4.5
確かにナンバープレートは「333」だった。

子供の頃に描いた絵には「333」のようなデタラメな数字を車に描いていたし、魚にも顔がついていた。そして、日常も目に見えない想像の世界で溢れていたから、波は怖くてお化けに見えたし、魔法で海の上を走れるんじゃないかと思ってた。もちろん無知だから、水道水の水と海水の違いも知らないし、魚がハムを食べるものだと思ってた。

子供向けというより、子供目線で1つの世界を描き切ったことに驚愕させられた。

なぜじじいがいつまでも子供目線で世界を見ることができるのか?日々子供と接しているとか秘訣があるのか?もしくは、アニメを作る人なら常に持ち続けているものなか?その辺はわからないが、凡人じゃないやっぱり天才やなぁと思うのです。

また、過去作と比べてストーリー性もメッセージ性も極端になくしてしまったところに潔さ、新しいものへの挑戦とか、ファンへの期待への裏切りというか媚びなさとか感じて、そういうの全部ひっくるめて痛快なのです。これはもうパンクですわ!

その痛快さから、単純に宗介とポニョの愛らしい声に胸がときめくせいなのか、また飛び出す絵本に飲まれるような色彩美に感動してなのか、私は泣いてしまいました。

理屈じゃない「好き」という感情だけで生きる子供たち。その彼らの自由な想像の世界を見事に1本にした傑作!!

自由最高!!不思議って最高!
ナユRA

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