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ガンモのIのレビュー・感想・評価

ガンモ(1997年製作の映画)
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1/7 DVD (4)
不思議だ。
多くの人は十代の出来事を「青春」という響きの良い一単語にまとめて、美しい思い出として昇華してしまいがちなためにあの頃特有の苦い毒のような感情は記憶から消し去ってしまいがちである。もちろん、「若さゆえの過ち」による苦い思い出や辛い思いを含めて「青春」という言葉に置き換えているのだろうが、間違いなく忘れている、言葉では形容しがたい感情を幾つも通ってきたはずだ。この映画はあんたたちが苦い思い出を混ぜ込んでそっと蓋を閉じたはずの「青春」の中で、またさらにあの時あの場面で感じたリアルな感情を、ストーリーもなく淡々と進む断片的なでどこか日常的な映像によって思い出させてくれる。ティーンの闇を「お前は忘れてたかもしれないが目をそらしたくなりがちなこんな経験、感情が確かにあったろ????」という具合に強く肩を揺さぶらているような、毒のような感情を掘り起こさせて露骨に抉るような映画がやっぱり好きだ。(「ドニー・ダーコ」、「16歳の合衆国」、「BULLY」、「明日、君がいない」、「消えたシモン・ヴェルネール」等々)
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