たむたむ

最強のふたりのたむたむのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.2
体が不自由な資産家と、彼の介護人となった貧困層移民青年との交流を描く、ノンフィクションヒューマンドラマ。日本で公開されたフランス語映画の中では、歴代1位なんだとか。
以前から気になっていた作品ですが、やっと見放題終了間近での鑑賞機会に漕ぎ着けました。

障害者を題材としながらストーリーはコミカルに展開するので、軽妙で重苦しさは全くなし。フランス映画特有のテイストも殆ど感じられないので、中弛みすることなく観られます。

意外と劇伴が素晴らしく、オープニングの”September”で一気に持って行かれました。
…にしても、この曲ほんと色んな作品で使われるなぁ。

どことなくダスティン・ホフマンのような風貌のフィリップ役=フランソワ・クリュゼの表情による演技が見事で、本当に障害者なのかと感じるほどリアル。一方ドリス役のオマール・シーも、本作出演当時、役者としてのキャリアは殆ど無かったにも関わらず、魅力的な演技は素晴らしかった。
ちなみに彼、『ジュラシック〜新たなる支配者』に出演してた事を、後になって知りましたw

ドリスが”Boogie Wonderland”のリズムに乗って踊り、その姿を楽しそうに眺めるフィリップの誕生パーティシーンが尊い。五体満足で産まれたことの有り難みを痛感する。。

フィリップとドリス、二人のバリアフリーな心の繋がりが丁寧に描かれており、鑑賞後は素直に「いい映画観たなぁ」と思える秀作でした。
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