まぐ

最強のふたりのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

まずこの映画、始まってから終わるまで2人の内面の大きな変化が見られないです。フィリップは最後まで障害者という負い目を抱えて臆病なままだし、ドリスも礼儀知らずで乱暴なまま。それでも2人を取り巻く問題は解決していきます。何がそうさせたのか?自分は出会いだと思いました。

元々貧困層の黒人と障害者である2人は、上辺のみで評価され内面を見てもらえなかったのでしょう。しかしこの2人はお互いを見るときに色眼鏡をかけませんでした。今まで誰にも理解されなかった本心を理解しあい、時に口で、時に行動で相手を思いやる。お互いにお互いの隣が適材適所となっており、誰にも見てもらえなかった能力や内面がどんどん外に向いて行く。こうして2人はどんな問題もものともしない、最強のふたりとなっていったのでしょう。

この映画の1番好きなところは台詞回しです。全てを語らず、理解できるとクスリと笑える。絶妙な塩梅の言い回しがこの映画の引力となっていたのは間違いないです。特に劇的な事象が起こらないからこそ台詞回しが絶大な効果を発揮していると思いました。

パラグライダーのシーンは実際に空で撮影したのでしょう、臨場感があってよかったです。
2人が本心から分かり合えた、と言うことをドリスの体の自由を奪うことでフィリップと対等にして表現した映画の中でも重要なシーン。脚本的な清々しさと映像的な開放感が見事にマッチしていて、1番好きなシーンです。
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