見切り発車

最強のふたりの見切り発車のネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

心なしか投げやりで憂鬱な雰囲気を感じる冒頭のカーチェイス。このまま事故でも起こしやしないかとひやひやさせられたところで、二人の大胆な遊び、息ぴったりのジョークに、警官たち同様まんまとはめられていたことに気づく。

フランスの移民問題や人種差別、障害者差別、尊厳、福祉、少年犯罪などなど…社会問題への関心を呼び覚ますような要素は隅々に散りばめられているけれど、決してヘビーな感じにはならない。ドリスとフィリップの織り成すユーモアが、映画を観るという幸せな時間の中に私を包み込んでくれた。

フィリップが時折見せる切なげな表情、それは軽快に全身でリズムを感じ踊るドリスを見つめる時だったり、ペンパルに送る写真を車椅子に乗っている自分ではない方にこっそり交換する時だったり、ドリスの後任介護者と馬が合わず嘆く時だったり…その表情が何とも言えなかった。
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