ぺがちゅう

最強のふたりのぺがちゅうのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.0
実話に基づいた作品。「白人で障害をもつ金持ちの老人」と「黒人で健康体の貧乏な若者」とが織り成すナイスコンビネーションが見所。他にも、学の有無、上品と下品など、対照的な要素は多い。この点に関しては、誇張しすぎといえるほどであり、明らかに「多様性の重要性」というメッセージ性が込められている。

ドリスとフィリップは影響しあう。例えば、フィリップの場合、ドリスの強引(?)な後押しによって、文通相手のエレノアと電話するようになり、距離感を縮める。ドリスは、絵画に造詣が深くなったりといった教養の面や、根本的な意識面で影響をうけている。特に、弟のためということでフィリップが一度ドリスを解雇した際、失業保険に頼らずに、きちんと就職活動をしている姿を見たとき、良い影響を受けていると感じられた。

ドリスの「いかにも上品な」物事へのリアクションが面白い。特に、オペラの場面で、木の役の演者を見て爆笑していたのが印象的。フィリップもつられて笑っているし。確かに、一切の予備知識なしで見たら、笑えるのかもしれないなんて思った。同様に、クラシック音楽の生演奏を聞いてコメントしていくのも面白かった。

ユーモアのある作風で楽しめたが、淡々としたストーリー展開のためだろうか、強く引き込まれるような魅力が感じられなかったのが少し残念だった。
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