たにたに

最強のふたりのたにたにのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
3.9
自己投影による人生の楽しみかた。


最近YouTubeなんかだと、
一般の人が、ただ大食いしたり、筋トレしたり、ゲーム実況したり、旅行したり、アスレチックしたり、もし〜したら、みたいな動画が人気で、
そうゆうのって、
自分では真似できないようなことを代わりに楽しんでくれているって気持ちがあるのだと思うのです。
いわば自己投影による擬似体験をおこなっている。

今作品はそれに近いものを感じた。
フィリップは、首から下が麻痺状態で、できることも限られている。
彼にとって、自由気ままに物事を発言し、体を動かすドリスに、一種の憧れを持ったんじゃないかなと思いました。

そうすると、擬似体験では収まらず
不思議と自分も同じことをしたくなってしまいます。
それが恋愛や、パラグライダーなんじゃないかなと。


フィリップが不思議と彼を介護士として採用したのは、富裕層であることの余裕だとは思うので、綺麗事として片付けられてしまうかもしれませんが、
互いに受け入れて、励まし合える仲になったことが運命というか、
誰しもが上手くいくはずはなく、彼らだからこそ感動できるお話になったのだと思います。



ただ、
構成として、
フィリップとドリスが警察とのカーレースをするところから始まり、過去にもどって、
最後にまた同じカーレースのシーンに戻るのですが、
初っ端で2人に対する嫌悪感というか、不気味さを演出したければ、
初めのシーンに、賭け事をしたり、発作の演技が最高だったとか、そうゆうのはカットして、最後のシーンに持ってきた方が良かった気がします。

え?なんで警察とカーレース?横のおじさんほんとに発作起こしてる?

あぁ、実は2人は過去に絆を深めて、
だからこういうことをしていたんだね。

の方がしっくりきたかなぁ。
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