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最強のふたりのbutasuのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.5
いやー良い映画だった。こういう系の障害者が絡む感動モノは苦手なので今まで敬遠していたのだが、文句無しに良い映画だった。これはひとえに主人公二人のキャラクターのおかげだと思う。黒人のドリスはとにかく明るくて雑で、でも良いやつ。障害者相手に全然気を使わないし、不謹慎なジョークを飛ばす。空気も全く読まない。でも彼は複雑な家庭環境に育った孤独を知る人間であり、その点でフィリップと深くわかり合うことができる。フィリップは大富豪のいけ好かないやつ。とんでもなく重い障害を背負っていながら、富豪としての矜持を保っているように見える。しかし彼はとても孤独で、ただ心を開ける相手が欲しかっただけ。フィリップが黒人音楽やマリファナや下らない冗談にノリノリになっていくのは見ていて最高に楽しい。
ただ実話を元にしているからって、実際の映像はいらなかったかな。なんか現実に引き戻される。
この映画は音楽の使い方が素晴らしい。最後まで観終わったあとにもう一度冒頭のOPを観たら、あまりに楽しそうな二人にぐっと来てしまった。
障害者と介護者ではない、理想の友人関係を築いたふたりは、まさに"最強"。どのシーンも大好き。間違いなく万人におすすめできる名作である。
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