20世紀のどこかの国。監視社会となっているその国では反旗を翻す人々による爆弾テロが相次いでいた。情報省に勤めるサムは現実と幻想の狭間に戸惑いながら、国家の動乱に翻弄されるSF大作。
有名だけど未見だった作品の1つ。ずっと前から知っていましたが、難しそうだなと思って長年敬遠し続けていましたが、この度足を踏み入れてみることに。
話の筋は大体分かります。本作製作当時では国民を監視する仕組みの国が当たり前にあり、それに抵抗する人々。その構図が軸として物語は展開。作風に関しては完全に好みが分かれる形。
主人公のサムが時折見る幻想なんかぶっ飛びすぎてるし、巨大なサムライと戦う場面なんか他の映画じゃ見れないほど独特なもの。そんな映像がしょっちゅうあるから、人によっては意味不明の羅列みたいに捉えられると思います。
そういった映像表現に加え、アクションも割と派手。爆発や銃撃戦、チェイス戦など結構あるのでその面では楽しめました。
サムを演じたジョナサン・プライスもよくこんなややこしい役柄演じきったなと思いましたし、ロバート・デ・ニーロも少なめの出番でも存在感はやはり抜群。
クライマックスの展開も驚愕。あまり細かくは書きませんが、まさに上げて落とす系統。個人的にはこれはこれでアリなラストでしたが、製作会社のユニバーサルから不評だったらしく、2つのバージョンのラストが作られたみたいですね。
そんな経緯も含めてテリー・ギリアム監督も本作に関しては心労が凄かったという話。その分唯一無二の作品に仕上がっていると思いますし、好きな人ならとことん好きだと感じます。