北野作品が初だったのですが、本職じゃない人が作ったとは思えない画の切り取り方だなぁと思いました。ラストシーンなんか特に秀逸で美しいと思いました。
また、久石さんの音楽が最高でした!アニメ作品以外にも、ああいう引き出しがあるのか、と感動しました。
見てる時は全体を通してカットが冗長だし、何度も闇金との同じ構図の対立があってクドイな〜と思ってしまいましたが、カットに関しては皆さんが書いていらっしゃるように芸人特有の間への意識が働いているのでしょう。確かに、車の中でトランプで遊ぶシーンや気味の悪い絵のシーン、ラストシーンなど、いくつかのカットではそれが効果的に働いてとても印象に残っていることを考えると、逆にこの映画の長所なのかもしれません。
個人的にはもう少しカットを絞って間で遊んで欲しかったですが、これは好みの問題ですね、多分。
主人公のキャラ、凄く好きでした。殆ど喋らないせいで、常に主人公の気持ちを分かろうとしてしまい、自然に没入していました。この男の静かな狂気が映画全体の独特な空気感の発信源になっており、それこそがこの映画最大のオリジナリティであるように感じました。というか、純粋にカッコいいっす、ビートさん。