アーリー

ハッピー フィートのアーリーのレビュー・感想・評価

ハッピー フィート(2006年製作の映画)
3.6
2023.2.25

動物映画第二弾。「ベイブ」シリーズとは違い、基本的に全部CGでの作りかな。

個性の尊重をテーマにして描かれる、ペンギンたちのミュージカル的な物語。歌で心を伝えるのが当たり前で、それが一番大事なことで、それを出来ないものは落ちこぼれだと認識される世界で、音痴な主人公マンブル。ただタップダンスが誰よりも上手く、それで気持ちを表現できた。ダンスをやめろと言われても、これが僕なんだと言い切れる芯の強さに感動。
そこにプラスして、人間の漁による魚不足も描かれる。
変だ、異質だ、落ちこぼれだと言われても自分を貫く勇気。圧倒的な脅威を前に諦めない勇気。マンブルから生きていく上で大事なことを教えられた気がする。今作を楽しめへんのは唯一魚だけちゃうかな。

人間の痕跡の残し方や、それの発見の仕方が、なんとなくSFぽくて良い。自分たちの世界や文明ではあり得ないものが見つかり、恐怖と共にワクワクする感じ。例えば月に死後五万年経ってる人間の遺体が見つかるとか。巨神兵が空から落ちてくるとか。「マッドマックス サンダードーム」でも、文明が崩壊して、その遺物となった飛行機が印象的に出てくるけど、ジョージ・ミラーはSFもいけちゃう人なんかな。「トワイライトゾーン」もジョージ・ミラーの文脈で観るべきやったかもしれん。

一つの作品で大きなことを二つやってるからか、まとまりがないように感じてしまうのがちょっと残念。まだ「ベイブ」の方が面白かった気はする。ただこうやって動物をメインにしながら、大人でも楽しめる作品に仕上げてるのはさすが。
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