kou

ハッピー フィートのkouのレビュー・感想・評価

ハッピー フィート(2006年製作の映画)
3.0
《自分でしか生きられない》
あのジョージ・ミラーのアニメ、というだけで何かありそうな気がするが、そんな何かありそうな期待を裏切らないのが今作だと思う。正直かなり攻めてる、エネルギーのある作品だと思う。

物語は南極のペンギンたちの世界。歌を歌うことが彼らの魅力になっている。自分の声で自分の魂を歌う、そんな集団の中で主人公は歌を全く上手く歌うことができない。彼が得意なのはダンス。しかし周りはそんな彼を拒絶する。

物語の向かう方向が、途中からそっちに行くの?とびっくりする方向へ進んでいく。終盤ではかなり重い、重すぎるシーンもあったりして、困難な集団、世界で生きる男というのを今作でも描いていたのではないか。自分の生き方でしか生きられない男が、一度はその自我さえ失いかけるが、残された自分自身の生き方で、ある光を見出すという、かなり大人な一作になっていると思う。面白かったでは済まない、独特なアニメであることに間違いない。
kou

kou