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脱走のスペクターのレビュー・感想・評価

脱走(1962年製作の映画)
4.5
『脱走』この映画のこと、検索できないものと思っていたのがさすが“Filmarks”有った。 しかも、観た人が1名いらっしゃるとは!

私が中学になったとき、映画の内容の予備知識もなにもなく、エイヤッと、はじめて1人で観にいった記念すべき映画。

アウシュビッツに収容されていた娘(ドロレス・ハート)が奴隷商人(ヒュー・グリフィス)に誘拐され売り飛ばされそうになるが、妻がナチ収容所で殺されたオランダ警察の警部(スティーブン・ボイド)に助けられる。
パレスチナに行きたいという娘の願いを叶えようと、いろいろあぶない目に遭遇するうち、互いに魅かれていく。
が、波乱のラストが待ち受けている。

薄暗い夜行列車の車内、雨が打ちつける窓ガラスに映る少女の顔......オープニングで使われたこのシーン、重く暗い、運命的で悲壮感漂う......これが全編を通じて支配することになる。

ドロレス・ハートは、この作品の1年前の出演作『剣と十字架』に影響を受けたか、若くして出家している。
スティーブン・ボイドとヒュー・グリフィスは共に『ベン・ハー』にてすばらしい持ち味を出している。

もう一度観たいとおもってあちこち探しているが、ビデオ・DVDいっさい見つからない。
主題歌“脱走のテーマ”も一度聴くと頭から離れない。加古隆の“パリは燃えているか”と出だしが似ているかな?
学生のとき、レコード屋で偶然そのLP盤をみつけた。
ジャケット全体にラストシーンに出てきたドロレスの大写しの顔が! テーマ曲はそのファースト・トラックにある。
レコード・プレーヤーは処分したので、こちらもCDを探しているがそれもない。
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