なみつ

ナイン・ソウルズのなみつのレビュー・感想・評価

ナイン・ソウルズ(2003年製作の映画)
3.5
京都みなみ会館 presents “Directed by 豊田利晃” 3本上映最後の作品。前2作と比べるとだいぶマイルド!気軽に楽しめました。

正直ちょっと、9人もいるといまいち印象に残らない人たちがちらほらいて、4~5人くらいじゃダメだったのかい?とは思うけど、どうして9人にしたのかは気になる。

好きなのは、
「あいつたまに見るらしーんすよ」に対する、「あいつには必要なんだろ」みたいなニュアンスの返し。そっか、そういう発想はなかったけどそういう人もいるのかも。そのあと自分も見てるからさらにぐっときた。

あと、クラクションを聞いてはっと窓の外を見る松田龍平の、救いを求めるようななんとも言えない横顔がたまらなかった。

豊田監督の作品は自分にとって、映画全体として捉えて点数をつけちゃうと可もなく不可もなくみたいになってしまうけど、時おりはっとするほど胸が締めつけられてどうしようもなく泣きたくなるような、走り出したくなるようなシーンがある。なんかもう、未来が見えなくて。見えないというか、もしかしたらこんな未来があったのかもしれないのにここにはない、という感じかも。

何に対しても肯定も否定もしないというか、伝えたいことはあるのかもしれないけど押しつけてこない感じが好きでもあり、不安でもある。犯罪を美化してるように思えることもあるんだけど、とことん救いはない。


松田龍平、瑛太と「青い春」で共演してそれがデビュー作でもあった新井浩文さんは、この作品を観て悔しくて引きちぎったそうです(何をか忘れました)。それはそうだろうなー、自分も充分、脱獄囚顔だもんね、、、


豊田監督の青春三部作、観られてほんとうによかったです!
けどさすがに1日3本はいろいろ疲れましたー。映画館の椅子はものすごく快適だということを再認識。感謝です。
なみつ

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