あきらむ

ミツバチのささやきのあきらむのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.5
柔らかな光と不気味な闇が交錯する映画で、主人公の少女アナの繊細で無垢な性質が画面にそのままにじみ出ている。
子どもの頃、我々にとって超常現象は身近なもので、大人たちが鼻で笑うようなことを本気で信じていた。この映画は、嘗て住んでいたわたし達だけの世界をもう一度見せてくれる。どんな些細なことも神秘的に見えたあの頃に、戻ろう。
一方で父親や姉の冷酷さや幾度も接写される幾何学模様と蜂の動きは、観る人を不安にさせるだろう。スペイン内戦時代に撮られた作品で、様々なものがメタファーとして置き換えられるらしい。戦争の背景を詳しく知っていたらもっと違う印象を持ったかもしれない。嗚呼どこまで奥深い映画なんだろう!と改めて感動した次第である。