ミツバチのささやきの作品情報・感想・評価

ミツバチのささやき1973年製作の映画)

EL ESPIRITU DE LA COLMENA

製作国:

上映時間:99分

ジャンル:

4.0

あらすじ

スペインのある小さな村に『フランケンシュタイン』の巡回上映がやってくる。6歳の少女アナはスクリーン上の怪物を精霊と思い、姉から怪物は村外れの一軒家に隠れていると聞いたアナは、ある日、その家を訪れる。そこでひとりの謎めいた負傷兵と出会い……。

「ミツバチのささやき」に投稿された感想・評価

くぼ

くぼの感想・評価

3.0
とにかく静か
多くは語らない映像だからこそ、いろいろ考えさせられる、独特な世界観、もう一度みたい
どこを切り取ってもポストカードにできそうな素敵な画 子供の感性にあっとさせられる 対称的なアナとイザベル
あ

あの感想・評価

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果てしなく漂う死の香り。
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.6
ある田舎町に映画の定期上映会がやって来た。
今回は「フランケンシュタイン」の上映で、幼いアナは姉のイサベルと共に映画を観に行く。
アナは姉に「フランケンシュタインは何者なのか」と尋ねると、「精霊」だと彼女は答えた。
それを信じ込んだアナは精霊が住みついているという村の廃墟へ興味を持つ始め…。


正直、説明部分が少なかったのでとても難しかった。

だけど田舎の様子や子供の無垢な表情などの、簡素で美しい映像表現にはずっと目を奪われていた。

子供は思った以上にずっと繊細で、素直に信じ続けてしまう。

それは美しくもあり、同時に恐ろしくもあると感じた。

何年かしてからまた観てみて、今と違う感想を持ってみたい。
ひたすらアナの演技力。
演技ですか?って思う。
繊細さ、ものすごく理解できる。

秘密めいた、ちょっとスリリングな刺激に裏切られ傷つき、魅了され、独自の世界観に深みが増していく。

アナとイザベルの、複雑な絡み。
心の本質。
衣装も素敵。
たぶん生涯で最も大切な映画。

はじめて観たときには何が起こっているのかさっぱりわからなかった。けれどその意味深な感じに強く惹きつけられた。絵画のように美しい映像は一目瞭然で、ただものでないことは容易にわかった。だからそれ以来、定期的に何度となく鑑賞し続けるようになった。そのうち次第にこの映画で表現されていることの一つ一つがわかってきたような気がして、それでもやっぱりわからないところも多くて今でも虜になったままでいる。

表面的には少女の成長過程が描かれているけど、その裏側にはスペイン内戦と恐怖政治という苛酷な現実が刻み込まれている。フランコ独裁政権の末期ではあるもののまだまだ検閲が厳しくて露骨に政府批判をすることができなかった時代。だから反体制派の映画人たちは知恵を使った。この作品も数々の暗喩的表現によって作られた。そのことを後から知って納得させられた。蜜蜂を飼育する父フェルナンドを違う方向から見たときに恐ろしくなった。それからこの芸術を生み出したエリセ監督の才能には驚愕させられた。

何度観ても一番印象に残るのは家族4人が食卓を囲むシーン。普通なら全景で一家の集まりを映すはずなのに。ここでは一つのフレーム内に複数人が同時に映されることが無い。一人ずつ独立した個人として表情アップを中心に構成されている。スペイン国内の分裂を表したものと思われる。父フェルナンド、母テレサ、姉イザベル、そして少女アナ。それぞれがどういう意味をもった存在として象徴化されているのかを考えたときに、このシーンの重さはさらに増幅される。

蜜蜂の生活のように喩えられたこの国の人たちの人間活動。その中でアナは通過儀礼を経て自我に目覚めていく。奇跡的な演技がそのまま人間の神秘にも感じる。そしてやはりスペインにおいては彼女の存在は未来へと向かう新しい力にも見える。その純粋無垢な目はキーになる。死を連想させるものの数々に触れてアナは現実世界の恐ろしさに気づいたのかどうか。とにかく奥が深くて解釈が難しい。説明的なセリフはほとんど無い。でも難解であるからこそもっと知りたいと思える。

そしていま現在、

エリセ監督が生まれたバスク地方や、バルセロナで有名なカタルーニャ地方は独立問題に揺れている。
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