ハレルヤ

白夜のハレルヤのレビュー・感想・評価

白夜(1957年製作の映画)
3.6
1年後の再会を約束した恋人を毎晩橋の上で待ち続ける1人の女性と、彼女と偶然出会った青年との人間模様を描いたクラシック恋愛ドラマ。

今から63年前の映画。この時代だからこそ描けるラブストーリーでしょう。直接会う以外は電話や手紙くらいしか連絡を取り合う方法がない当時の恋人事情。今だとスマホあればどこにいようと一発で連絡取れますもんね。

なので恋人と1年間離ればなれでまた会えるかどうかの保証もない状況に切なさが募りますし、ラストもああいう形で展開出来るんですね。

ロケーションもほぼ完璧でしょう。夜の運河の街並みの美しさはモノクロでもしっかりと映えていますし、少し靄のかかった橋の上の描写も本当に芸術的。終盤のボートで河を渡っている場面の雪も素晴らしかったです。

主演の名優マルチェロ・マストロヤンニは本作でも二枚目らしさを存分に出していますし、マリア・シェルも美人でヒロインとしての存在感は十分。

今見ると間違いなく古臭い感じのする物語ではありますが、逆に今の時代では絶対に再現不可能なクラシック映画ならではの味を感じさせてくれる作品でしょう。
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