だいざる

リアリティ・バイツのだいざるのレビュー・感想・評価

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)
3.5
あれは大学四年の夏だった。

私は春に志望する職種の企業から内定をもらい前期の終わりには卒論完成のめども立って、毎日毎日バイトと遊ぶ事しかせず「人生楽勝!イェーー!」と浮かれまくっていたし、人生をなめて荒んだ日々を送っていた。
そんなある時、当時付き合っていた恋人兼バイト先の社員さんからある一本の映画を薦められた。

「イーサン・ホーク好きだったよね!この映画のウィノナ・ライダーも〇〇のタイプだと思うからまだ観てなかったら観てみて。」と内容に関しては一切触れない薦め方をされた。

今となっては薦められたら、先ずあらすじを見るようにしていますが、浮かれまくって人生なめているクズ野郎だった当時の私は恋人の薦めを素直に受けとめ、内容に関しては何の事前情報も得ぬままに鑑賞。

そして、鑑賞後恋人がこの作品を通して伝えたかった事を知って泣きそうになったし、それまでの己の行いを悔いた。

人生を変えた一本というのは何本かでありますけど、この映画もその内の一本です。

ちなみに、私はこの映画が好きではありません。
主要登場人物達に反感を覚えてしまうから。特に主人公のリレイナ(ウィノナ・ライダー)がひどい。その相手役トロイ(イーサン・ホーク)も嫌い。

あらすじをざっくり言うと、大学の卒業式で総代を務めるほど優秀だったリレイナが仕事をクビになりフラフラする間に、男女の三角関係をも誘発し、もがき苦しむというお話。

まず、リレイナが会社をクビになる原因なんですけど「そりゃクビだわ。自業自得です。」と思わずにはいられない。
社会をなめてるとしか思えない言動にイライラ。
トロイも何をやっても長続きせず1ダースほど仕事をクビになる有様。そしてすぐさま現実逃避する。

そりゃ世の中好きな事をやって食べていけるのなら、それに越したことはないと思うんです。でもなかなかそうはいかない。現実は期待を裏切りますよ。
自意識ばかりが肥大化して、ちょっと壁にぶつかったら楽な方へ楽な方へと逃げる。それじゃあダメなんですよね。
人は多かれ少なかれ色んなことに妥協して、理想と現実の落差に折り合いをつけて生きている。そうしないと生きていけない。タイトルにもあるように「現実は噛み付いてくる。(意訳)現実は厳しい。」んですから。
当時の恋人は自分より年上で、一足先に社会の荒波に揉まれていて社会の厳しさを痛感していたんでしょうね。
きっとあの頃の私なら、いくら言葉を並べられても耳を傾けることはしなかったでしょうから、「社会ひいては人生をなめてると痛い目にあうよ」とお互いの共通の趣味である映画を通じて教えてくれた。
私が今こうして社会人として何とかやっていけているのも、彼女のおかげかなと大袈裟ではなく本気で思っています。


書き忘れてた。
この時のウィノナ・ライダーめちゃめちゃ可愛いです!