のどか

リアリティ・バイツののどかのレビュー・感想・評価

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)
4.5
サークルのみんなで観て、座談会をした。選んだ身としては、気に入らない人もいるのではと不安だったけれど、「好き嫌い」で切り捨てるのではなくきちんと観て、「ここは気にくわない」と言ってくれたのがすごく嬉しかった。大好きな作品を人と語れた幸せ。

なんでただの「違い」を「格差」にしたがるの。ヤッピーも、哲学かぶれもそれぞれでいいはずなのに、お互いを見下しあっているのは不思議。

ジェネレーションXなんてカテゴライズしないで、個々の「違い」として見ることができれば、そこから出ようと足掻くこともないのに。古着を身につけているヴィッキーが、GAPで働くという矛盾。ヤッピーの世界も受け入れて生きていくか、トロイのように自分らしく生きていくことに徹するか、主人公のようにその狭間で足掻くか。

トロイが自分のことを「Nothing」と歌う。『ウォールフラワー』では、「Nothing」というあだ名のパトリックが「Nothing hates you」と卒業式に掲げる。トロイは自分が「Nothing」であるということには気づいてはいるけれど、どこか負け犬意識がある。一方、パトリックは自分と他者の間には単なる「違い」しかないということに気づいていて、「嫌いだ」とはっきり言うことができる。この差は年代から来るのかな?
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