き

善き人のためのソナタのきのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.3
ラストあたりはずっと泣いてました。
最後のセリフで更にグッときて、エンドロール中は嗚咽を上げるほど泣きました。

高尚なイメージを勝手に持っていたので長いこと敷居が高く感じていましたが、全然歴史に詳しくなくても大丈夫でしたので、同じように感じられて手を出せていない方にも是非オススメしたい作品。
どなたかのレビューにもあったのですが、予備知識は昔ドイツが西と東に別れていたという事を知っているぐらいでいいと思います。

冒頭の冷酷な印象の主人公の中の「善き人」が目を覚ましていく様子を、見事に俳優さんが演じられている点が物静かながら壮絶。
…と思い調べましたら、なんと主人公の中の人ウルリッヒ・ミューエも旧東ドイツ時代に反政府活動を行なっていて当時の奥さんに密告されたりしていた(!)というので驚きました。
そして本作の公開あとすぐにお亡くなりになっている事も知りショックです。

終始淡々と進んでいきますが、だからこそ最後にグワッと込み上げるものがある、素晴らしい映画でした。
き