ゆうゆ

善き人のためのソナタのゆうゆのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.6

あのラストシーンのために
この長い物語が紡がれてきたんだと
言ってもいいくらい
余韻を引きずる素晴らしいラスト

国に忠実に仕えていた孤独な男が
ある男女の愛に直面し
次第に変化していくおはなし

多くは語られない静かな展開のなか、
盗聴を介して変化していく
主人公ヴィースラーの心境。
組織下の冷酷な人間に
次第に温かな血が通っていくように
とても繊細に移ろうヴィースラーの表情や
訴えかけるように開かれた
澄んだ碧い瞳が 
もう たまらなく秀逸✧︎

硬い表情に鋭い視線で盗聴していた彼が
いつしか彼らに間接的に介入し
次第に ふたりを見守るような
柔らかな丸みを帯びていく。
彼の気持ちの変化をしめす、
幼児とのコミュニケーションシーンや
娼婦とのシーンが印象的

彼らの愛に感化された主人公と
彼に盗聴されていた男ドライマンとの間に
長い時を経て強く繋がれた
友情とも 恩情ともまた違った
不思議な絆に 
言い表しようのない感動があって
込み上げるものが凄かった


『ある画家の数奇な運命 』の
監督のデビュー作。
ドライマン役のセバスチャンコッホは
ある画家~にも 重要な役で出演してたけど
今作ではまだまだ若くて
フェロモンむんむんだった‪𓂃

ゆうゆ

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