あのラストシーンのために
この長い物語が紡がれてきたんだと
言ってもいいくらい
余韻を引きずる素晴らしいラスト
国に忠実に仕えていた孤独な男が
ある男女の愛に直面し
次第に変化していくおはなし
多くは語られない静かな展開のなか、
盗聴を介して変化していく
主人公ヴィースラーの心境。
組織下の冷酷な人間に
次第に温かな血が通っていくように
とても繊細に移ろうヴィースラーの表情や
訴えかけるように開かれた
澄んだ碧い瞳が
もう たまらなく秀逸✧︎
硬い表情に鋭い視線で盗聴していた彼が
いつしか彼らに間接的に介入し
次第に ふたりを見守るような
柔らかな丸みを帯びていく。
彼の気持ちの変化をしめす、
幼児とのコミュニケーションシーンや
娼婦とのシーンが印象的
彼らの愛に感化された主人公と
彼に盗聴されていた男ドライマンとの間に
長い時を経て強く繋がれた
友情とも 恩情ともまた違った
不思議な絆に
言い表しようのない感動があって
込み上げるものが凄かった
『ある画家の数奇な運命 』の
監督のデビュー作。
ドライマン役のセバスチャンコッホは
ある画家~にも 重要な役で出演してたけど
今作ではまだまだ若くて
フェロモンむんむんだった𓂃