垂直落下式サミング

リング2の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

リング2(1999年製作の映画)
3.5
『リング』の続編で映画版オリジナルストーリー。正規の続編『らせん』が存在するが、それとは異なる展開を見せるある種のパラレルワールドを描いた作品。
中谷美紀が、怨霊・山村貞子から亡き恋人の一人息子を守る。完全に一作目の『リング』のホラー要素を受け継ぎつつも、別のベクトルから生じる恐怖を盛り込んでいる。
ベストシーンは、旅館で山村志津子&貞子の生前の姿を霊視する場面。怖くて嫌だ。一旦襖の裏にフェイドアウトしてから、アップでにゅって出てくるところで、きゃあ!って悲鳴あげちゃった。
クライマックスで、プールのなかに吸い込まれたかと思ったら、貞子が閉じ込められていた井戸のなかへと時空が繋がってしまう場面は、突飛すぎてあんまり好きじゃない。
それに、若い女性が血も繋がっていない子供のため自らの命を張るには、その子が救うに足る説得力のある可愛さじゃないと、映画を傍観しているこっちからすると嘘っぱちに感じる。ホントかわいくねえガキだな。中田秀夫は、子役の演技させかたはあんまり上手くない人だと思う。
切り揃えられたショートボブ中谷美紀。黒いコート。黒い靴。黒いタイツ。貞子と対比するような黒のシックなコーディネート。お洒落。先生生徒で不倫して、いつもしかめっ面で、前作では、すげえ嫌な女っていう印象だったけど、本作で子供と遊んでいるところは自然な笑顔が素敵だった。
超能力者設定が与えられているけど、案の定、新解釈は手に余る。小日向文世の演じる博士が、合理的な手段をもって、科学の力でこの世ならざる存在に対抗しようとするだけで、お腹いっぱい。
そんで、Jホラーに欠かせない谷津勲さん。本作ではちょい役のタクシードライバーだけど、『呪怨』では認知症いないいないバアのおじいちゃんで、『仄暗い水の底から』ではマンションの管理人。わりと重要人物だ。
犠牲者は、若き日の深田恭子。口あんぐり死に顔を拝見できる。そして、呪われてしまう柳ユーレイ。いつ何時でも、振り返えれば深キョンが!俺と替われ!