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日の名残りのCのネタバレレビュー・内容・結末

日の名残り(1993年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

カズオ・イシグロ原作の映画。

主人公はとても不器用で、むしろ一周回って器用なんじゃないかというレベル。歯がゆい。

そんなキャラクターなので、淡々としてるけど、歴史の舞台の裏側が描かれる緊迫感もあり、途中でダレずに観れた。

英国貴族のお屋敷や調度品がとても豪華。絵画だらけの赤い部屋、狐狩りの風景、暖炉前に円卓を囲んで置かれた花柄のソファのサロン、どれもすてきで眼福。

私を離さないでは原作も読んで映画を観たけれど、今作でも、どうしようもない出来事や状況に置かれた人の静かな悲しみ、もしくはしなやかさ、静かな強さを描いているなあと受け取った。
人生に過ちや後悔があるとして、生を全うするまで続く日々を、どう生きていくのか?

少なくとも、主人公は過ちを正すために行動したのがよかった。
それでも、取り返すことは叶わない状況だと分かって、余計なことは言わず潔く身を引いたのは彼の美学なんだろう。
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